ep.05 【閉鎖病棟・独房編】拘束の終わり

たどり着いた先の独房で、食事窓から顔を出している声の主はちょび髭の丸顔でおっさんだった。七福神のえびすさんによく似ている。

おっさん「お前、どうやってきたんや!?

俺「え、『大変やー。来てくれー』って言うからベッド引きずってなんとか・・」

おっさん「そこにあるやかんとってくれるか?」

やかん?そういやなんかあったな・・通ってきた廊下を見るとやかんが2つあって1つは白湯、もう一つはお茶と書いてある。とりあえずお茶のやかんをもってまたベッドを引きずってオッサンのところへ。

おっさんは紙コップを食事窓から差し出したのでそれにお茶をいれてあげた。

おっさん「ふー。助かったわー。」

俺「(え、それだけ?) で、俺これからどうしたらいいですかね?」

おっさん「お前、自分の部屋に帰れ!」

お、おう。帰るか・・確かにベッドに繋がれたまま病院大脱走を企てるのはさすがに無理があるのでおとなしく自分の部屋に帰ることに。5分くらいかけて

汗だくで自分の部屋に戻ったはいいけど、これ、寝床を修復しないと怒られるよね?

ベッドの宮を拾ってなんとか元通りにはめようと頑張るものの、なかなかうまくはまらない。背中にくっついてるベッドとかマジで邪魔すぎでしょ。

悪戦苦闘しながらベッドに宮をはめようとしていると、ドン、と扉があいた。グラサン大男の登場である。

大男「お、おまえ何しとるんや・・!!(驚愕)

無理もない。ベッドで寝てるはずの患者の様子を見に来たら、背中にベッドを担いで床に座りながら汗だくで何か作業をしてる変な奴がいたら俺だってびっくりするわ。

俺「いやー、ウ〇チしたかったけど誰もいなかったからベッド持ち上げてなんとかそこでして・・そしたらおーい誰か来てくれーって叫んでる人がいたから部屋からでて様子見に行って・・それからまた部屋に戻ってベッドを直そうとしているとこです。」

大男「ワッハハッハッハハハ!!!長い事ここで働いてるけどこんなやつ初めて見たわ!!!おもろいやっちゃ!」

大男は便器の中の誉れを確認したあと、部屋の外にでてペダルを踏んだ。すると誉れは水とともに流れていくのであった。(なるほど、水洗ペダルは外にあるのだな・・)

大男「お前もうベッド使わんでええわ。この畳を床に置いてその上に布団引いて寝ろ。拘束外したるわ

俺「はい、わかりました。」

手際よく拘束が外され、ベッドフレームとサイドテーブルは部屋の外へ運ばれていった。残ったのは畳と布団のみである。

こうして俺はベッドを担いで外にでるという前人未到の離れ業をやってのけることによって拘束を解かれ、独房の中を自由に歩き回れるようになったのである。(って全然自由ちゃうやんけ!)

(続く)

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