ep.06 【閉鎖病棟・独房編】時間がありすぎる

日々時間に追われている忙しい現代人の方々、こんにちは。

さて、ようやくベッドに繋がれた拘束生活から解き放された俺。そんな俺を次に待っていたのは迫りくる無限の時間との闘いだった。

というのも隔離室の中は恐ろしく何もないのである。テレビはもちろんスマホなんかない。本どころか紙やペンもない。畳、布団、壁、窓、天井、便器、スリッパ。以上

である。

忙しい現代人のあなた、何もない空間に閉じ込められるってどんな感じかわかります?

病院の待ち時間が1時間とかマジつらいわー。

みたいなレベルではない。てかスマホあるし全然余裕でしょ!何時間、何日間、何週間続くかわからない無限の時間何もない状態で過ごすのだ。想像できるだろうか??

ベッドに繋がれてた数日はまだ「はよ外せやコラ!!」という感情に支配されてて余計な事を考える暇がなかったので、外されてからの方が本番でした。

やる事ないんだったら寝てたらええんちゃう?ハイ、私もそう思いました。で、実際寝ていると・・

昼寝てたら夜寝れんやろがっ!」とコワモテの看護師に怒られるのです。なんたる理不尽!

刑務所体験レポートみたいなのを読んでると「横臥禁止!」とか言って寝ころんだら看守に怒られる話が出てくるけど全く同じですね!

だったらオ〇ニーでもすればいいじゃない?」そう思ったアナタ、残念っ!天井には憎たらしい監視カメラが付いているのです!まあ無視してする手はあるかもしれませんが・・

窓の外を眺めてもそこは中庭。何の変化もありません。あまりにもやる事がないので、壁でもぼーっと眺めてみる。するとペンキのはがれ跡の模様が文字やら絵やらに見えてくるではないか。

「これは鳥かな・・?」「これは女の子が手毬をついているところかな・・?」

おっと、ヤバイヤバイ。まじで頭がおかしくなってきそうだ。さすが精神病院。こんなとこにずっといると精神の病気になってしまいそうだぜ。何か生産的な事をしなくては・・何か・・ないのか・・??

(隔離室でウ〇コを食べた爺さんの話を看護師から聞いたが、少しわかる気もする。何もない部屋に耐え切れずヤケになって「いっそお望み通り狂ってやるわー!!!」ってなったのかもしれない・・・)

部屋を見渡してみる。そういえば「医療保護入院のお知らせ」とか書いたA4の紙が壁に貼ってあるじゃないか。四隅をセロテープで固定されて。よし、これで吹き矢を作ろう。どうせ意味のない御託が書いてあるだけだし。

ほかに材料はというと・・お茶を入れた紙コップ!がまだ食事受け渡し窓に残っていた。完璧だ!

紙を丸めてセロテープで固定。筒はすぐできた。あとは矢を作るだけだ。紙コップの底を取り出し円形の紙をゲット!パックマンみたいな形に切り込みを入れて丸めてセロテープで止めれば円錐形に変身!これを筒に詰めて反対から吹けば・・飛んだ!

部屋の端っこから的に見立てた紙コップを狙う・・・「くそー!外れた!」「もう一度!」「よっしゃー当たった!!」

やべえ、楽しいwww

と童心に帰ることでしばらく正気を保つことに成功したのである。(まあすぐ飽きるけどね!)

(続く-閑話休題)


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